ぬくブログ
雑談

学歴と能力の関係性について個人的な考え方をお話してみました

なぜ急にこんな記事を書いたかというと、きっかけはこちらのツイート。

まあ実はこの質問者はリアルでの知り合いなのですが、他の方も関心のあるテーマかもしれませんし、せっかくなのでブログで返答しようか、ということでこの記事を書いてみました。

ちなみに今回の記事は、全く何の科学的根拠にも基づかず、純粋に私の人間観察に基づいています。

テーマ的に炎上もありうるなとか思ったりもしますが、基本的に悪気も特定の誰かを攻撃するつもりもないので、優しくしてください。

はじめに:この記事における「学歴」と「能力」とは何か

まず、学歴と能力の関連性を語るにあたり、「能力が高いとは何か?」ということを定義しておきたいと思います。

頭がいいとか、たくさん稼いでいるとか、偉くなれるとか、考え方は色々あるとは思いますが、ここでは一旦、能力が高い人とは「付加価値がつけられる人」だとしておきます。
なので、付加価値出していれば稼いでなくてもOKとしますし、頭が良かったり地位があったりしても、それを付加価値に変えられていないならダメ、ということにしておきます。

何か仕事をするときや新しいものを作ろうとメンバーを集めるとき、ぜひ入ってほしいと思うような人、ってのが私の「能力の高い人」のイメージです。

一応「学歴が高い」についても定義をしておくと、学力テストに合格して難関校(特に難関大学)に合格した人のことを今回は指します。要は「お勉強ができる」ってことです。
スポーツ推薦等で有名校に入った方もいると思いますが、話がややこしくなるので一旦こういった方は除外して考えます。

ちなみに、どこからを高学歴と呼ぶかは炎上不可避なので定義は避けます。

問いの整理

「学歴と能力には関係性があるのか?」という問いをブレークダウンしてみます。

まず、「受験勉強で身に着けた知識が社会人になって直接的に能力の差を生むか?」という点については、大抵の人が「NO」と考えるのではないでしょうか。

おそらく、「学歴と能力は関係がある」と考える方であっても、多くは「高い学歴を持つ人に共通している特性があり、それは受験勉強以外の場面での能力発揮にも役に立つ」という考えではないかと思います。

なので今回は、
学歴→能力が成り立つか?
ではなく、
Ⅰ ある特性→学歴 が成り立つような「特性」は何か?
Ⅱ そのとき ある特性→高い能力 も成り立つか?
を考えればよいということですね。

順番に考えていきます。

Ⅰ 学歴が高い人のタイプ分け

そこで、学歴が高い人の特性を考えてみると、大体以下の4つに分類できるのではないかと思っています。

①天才
②オタク気質
③負けず嫌い
④勤勉家

私の場合サンプルの大半が東大なので、高学歴一般に当てはまるか自信がない部分もありますが、多分そんなにズレてないとは思っています。
ちなみに単に幸運で受かったみたいな人もいると思いますが、今回は除外して考えます。

それぞれどういうタイプなのか詳細を書いていきます。

①天才

文字どおり、単純に頭がめちゃくちゃよく、大して努力もせずにテストで点がとれるタイプです。

なんとなくですが、「いい大学は天才が行くところ」と思われている方も多いような気がします。正直なところ私も高校生になったくらいまではそう思ってました。

ただ、個人的な見解でいうと、東大でも努力せずに勉強ができる天才なんてほとんど見たことありません。

優秀な知り合いは大抵、めちゃくちゃ努力してました。むしろ、彼・彼女らの特性は、生まれつき頭がいいことではなく、息を吸うように努力することだと私は思っています。

息を吸うように努力する人にも、いくつかタイプが分かれます。それが②~④です。

②オタク気質

このタイプは、何かにハマるととことん突き詰めるタイプです。
受験勉強以外にも、趣味や部活にとんでもなくのめり込み、その分野を特技としている人も多いです。

このタイプの努力の原動力は好奇心です。受験勉強もゲームをクリアする感覚で進めており、このタイプには「受験勉強が苦じゃなかった」という人も多いです。本人も努力を努力と思っていない感覚です。

天才と紙一重のタイプで、本当に努力が不要なのが①の天才、努力を努力と思わずできるのが②のオタク気質、ってイメージです。

③負けず嫌い

このタイプは、競争心が強く、何事にも成果を残そうとします。

このタイプの原動力はプライドです。

原動力が内発的だという点で②と共通していますが、②と違って、努力を努力と認識しており、つらいとも思ってます。しかし、負けるよりはマシと思って頑張ります。

④勤勉家

このタイプは、親や先生から勉強するように言われ、忠実に従い勉強するタイプです。悪いい方をすればガリ勉です。

このタイプの原動力は規範・他人です。頑張る理由が外発的であるのが②オタク気質、③負けず嫌いとの違いです。

どのタイプが特に多い?

おそらく、高学歴の人と聞いてイメージするのは、大体①天才か、④勤勉家のタイプではないでしょうか。
ただ、①がほとんどいないのは前述のとおりですが、④も思ったよりいません。私も入学前は④みたいなのばっかりなんだろうなと思ってましたが、どちらかといえば②、③みたいな人が多かったです。

綺麗にどれかに分類できるものでもないので、複数の特性を併せ持つ人もいますし、環境にもよると思うので一概には言えませんが、ご参考まで。

Ⅱ ①~④の特性は、高い能力に結びつくのか?

最初に書いた通り、
Ⅰ ある特性→学歴 が成り立つような「特性」は何か?
Ⅱ そのとき ある特性→高い能力 も成り立つか?
を考えてきました。
Ⅰの「特性」が上の①~④なので、次はその特性が高い能力に結びつくのかどうか、ということについて私見を述べていきます。

①天才

なんせサンプルが少ないので大したことが言えないのですが、おそらくこのタイプはいろんな分野で能力を発揮すると思います。
一言に天才と言っても何の天才なのかによって分野は限定されるとは思いますが。このタイプの一番の問題は、やはり「ほとんどいない」ってことですね。

②オタク気質

このタイプはおそらく一番パフォーマンスにムラがあります。

好奇心を原動力にしているため、興味がある分野では非常に心強い味方となりますが、興味が持てない分野では下手したら並以下です。

実際私の大学の友人にも、大学入ってからはサークルやバイト等の勉強以外の方向に興味が向き、そっちはめちゃくちゃ頑張って結果を残したものの勉強は全然せずに留年連発、なんて人も結構います。

そんな扱いの難しいところもありつつ、ハマった時のパフォーマンスの高さはピカイチです。一日中一つのことに没頭できるというのは非常に大きな才能です。(投資やられている方はこのタイプが多い気がします。)

③負けず嫌い

このタイプは、どの分野でも負けることを良しとしないため、努力を惜しまず、広い分野で安定したパフォーマンスを上げます。
信頼できる人が多いと個人的に思っており、何か一緒に活動をする場合にはぜひメンバーに入れたいタイプだと思っています。

一方で、デメリットもいくつかあります。

まず、イノベーターには向かないかもしれません。
このタイプは、相手の土俵で勝利を収めることを良しとする人が多いです。なので、理不尽なルール等に対しても、それを変えるのではなく、ルールの中で結果を残すことを選ぶことも多いです。ルールを変えたら逃げた気がしてしまうのです。

また、圧倒的な1位にはなりにくいかもしれません。
例えば2位が10点だったら、自分は12点だろうが100点だろうが1位なので、12点で満足することも多いような気がします。②のオタク気質タイプは勝手に自分との戦いをして100点に突き進みますが、③のタイプにはあまりそれがないように思います。
このタイプには、適度な競争相手が必要です。

最後に、これが一番のデメリットですが、プライドが努力に結びつかなくなった負けず嫌いは面倒です。
基本的は③負けず嫌いタイプは負けないように努力するのですが、何かの拍子に心が折れたこのタイプは、努力もしないのに高い自尊心だけが残ります。
努力をしないので当然どんどん勝ちは遠のき、それにつれてプライドが傷つき、どんどんこじらせて行きます。

よく言われる「プライドだけ高い高学歴」はこのタイプだと思っています。

④勤勉家

このタイプは、根が真面目なので、言われたことはきっちりやる能力は高いです。

ただし注意点として、自発的な動機がないので、自分で何かを考え行動することは苦手です。
自分で考えて動くことが求められる環境では、「能力が高い」とはみなされないと思います。本人からしたら言われたことは一生懸命やっているため、「がんばっているのに評価されない」というように悩んでいる方も多い気がします。

半面、ソルジャーとしては優秀です。ワンマン上司の下とかだと輝きます。面白味を感じないことでも我慢してやることになれているので、あまり文句も言いません。
そういう意味では、大企業がベンチャーに比べて学歴重視の採用を行う傾向にあるのも納得がいきます。大企業にとっては④はアタリで、ベンチャーにとって④はハズレなことが多いと思います。

もう一つの注意点として、オタク気質や負けず嫌いといった性質は一度人格形成されてしまえばそう簡単に変わるものではありませんが、勤勉家は勤勉家じゃなくなることがあるってことです。
そんなに多くはないですが、外発的な「頑張る理由」がなくなると努力しなくなる人も中にはいます。
特に自ら楽しみを見つけるために動くこともしないタイプなので、こうなると本当に怠惰に過ごしたりします。先ほどの例でいうと、オタク気質の人が他の何かに打ち込んで留年するのに対し、このタイプは特に何をしているわけでもなく留年します。こうなったら言うまでもなく、「能力が高い」とは言えなくなるでしょう。

Ⅱのまとめ

①天才:多分広い分野で能力を発揮する。ただし、あんまりいない。
②オタク気質:興味がある分野では抜群に高い能力を発揮するが、興味がない分野では下手すれば並以下。
③負けず嫌い:広い分野で安定した能力を発揮するが、こじらせると面倒。
④勤勉家:指揮官には向かないがソルジャーとしては有能。ただし、動機を与えてあげないと腐るかも。

要は、「学歴が高い人が能力を発揮できるかどうかは、その人のタイプとその人に与えられた環境次第」ってことになります。適材適所、だいじ。

では逆に。学歴がないことは無能の証明なのか?

ここまでは、「学歴が高ければ、能力も高いのか?」という観点から考えを述べてきました。

では今度逆に考えてみます。学歴が低ければ、能力も低いのでしょうか?

これは断言できますが、答えはNOです。

正直ここがこの記事で一番言いたかったことなので、2回言います。答えはNOです。

特に、オタク気質、負けず嫌いのタイプは、高学歴でない人の中にもうじゃうじゃいます。
オタク気質の方は、たまたま受験期に他のものに熱中していたのかもしれません。
負けず嫌いの方も、たまたま受験期に他の何かに勝負をかけていたのかもしれません。
たまたまその努力が受験期に勉強に向かなかったというだけで、すべての分野でその人が努力できず、能力を発揮することができない、ということにはなりません。

にも関わらず、学歴が高くないだけで「自分は頭が悪いから」といって自分の限界を決めてしまう方が多いことは、残念に思っています。

私自身、高校二年の頃まで東大に行こうなんて思ってませんでした。自分とは頭の出来が違う人種が行くところで、自分のようなもんが行くところじゃないって思ってました。
しかし、1個上の先輩が東大に入っているのを見ると、「あの人がいけるなら自分もいけるのでは?」と思えて(失礼笑)目指すようになりました笑
そう思えたのは、ただ単に知り合いが東大に行ったからであって、特に努力して自信がもてるよう意識変革をしたわけでもありません。要するに、「自分もいけるかも」って思えたのは半分以上運と環境です。

いけるかもって思えなければ、目指すこともなかったでしょうし、合格することもなかったでしょう。そうなれば、ずっと「自分には無理」って思いながら今日まで来てたと思います。
私自身、今の経歴にそういった綱渡り感を感じているので、逆に「たまたま学歴を持たない方向に行ったけど実は能力のある方」っていうのも結構いらっしゃるんじゃないかなあと思っています。

Twitterで株クラの話していても、すごいなって方たくさんいらっしゃいますし。
特に、オタク気質・気になりだしたらとことん調べたり考える方がたくさんいらっしゃって、お話していてとても刺激になります。

「できると信じればできる」なんて自己啓発本みたいな甘いことを言うつもりはありませんが、できると思わなければせっかく能力伴ってても発揮できないので、学歴に惑わされないで自分の可能性を信じられる方が増えたらいいな、と思っています。

一応誤解がないように。学歴あってよかった?という話

ここまで書いたように、学歴と能力の関係については、「関係なくはないと思うけど、学歴があっても能力が常に発揮できるとは限らないし、学歴がなくても能力のある人はいる。」という(ある意味当たり前の)見解となりました。

こういうと、もしかしたら「学歴なんて関係ない。学歴は不要。」っていう主張だと思われるかもしれないので、一応明言をしておきます。
私自身は、学歴持っておいてよかったと思ってます。
というのも、別に学歴が能力の証明になるとは思ってないですけど、学歴それ自体が役に立つ場面は結構あるからです。

自慢に思われる方がいたら申し訳ないですが、新卒で入った就職先も、今の就職先も、多分学歴が違ったら能力が同じでも取ってもらえなかったでしょうし、
こうやって「学歴と能力は関係あるのか?」なんて記事を書いて読んでいただけていること自体、おそらく学歴があるからです。
やっぱりハロー効果が働いているのは感じます。
ホリエモンも、「東大は最強のブランド。使わない手はない。」みたいなこと言ってましたし。

そんなわけで、取れるものなら取っておいた方が便利だとは思います。

とはいえ、学歴を手に入れるために多くを犠牲にするのはどうかなと思ってます。
私には子供はいませんが、もしできたとしたら、④の勤勉家みたいなタイプに育てて高学歴にするくらいだったら、学歴なくてもいいので②のオタク気質な子を育てて、自分で興味・楽しみを見つけられる子に育ってほしいなあと思います。勉強を面白いと思えて、熱中した結果学歴がついてくれば、それが一番いいなあ、みたいな皮算用です。何事もバランス。

おわりに

以上、つらつら書いてみました。
偉そうなところとか説教臭いところとか自慢ぽいところとかあるかもしれませんが、ご容赦いただければと思います。

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