ぬくブログ
振り返り

【ほぼ雑記】私の投資経験のこれまで

この記事を書き始めた2020年12月1日現在、EV、大麻、ワクチン系等のグロース株を中心にマーケットが非常に好調です。
大統領選挙とコロナワクチンの開発成功が近いというニュースで一時マーケットは荒れたものの、その後はほぼ一直線に株価が伸びつつけました。
そういった状況ですので、お調子者の私はつい「僕、株がわかってきたかも」と勘違いし、あれやこれやと評論家じみたことをツイートしたくなってしまいます。そして私がこういったモードになったとき、大抵次の瞬間手痛いしっぺ返しが待っているのです。

そこで本日は、自分の過去の投資の失敗、投資方法の試行錯誤等を振り返りつつ、自分の至らなさを自身に突き付けて謙虚な心を取り戻してこれからの投資にのぞもう、というのが趣旨です。

「投資の失敗」と言っても、資産が○分の1、とか派手なものではなく実に地味なものばかりでエンタメとして面白いわけではないですが、ご興味あればお読みいただければと思います。

私の投資歴の概要

私は2016年の3月に米国株投資を始めました。なのでもうすぐ投資歴5年になります。
日本株はほとんどやったことはありませんし、FXや投信とかもやったことがなく、ほぼ米国個別株(米国に上場しているその他の国の株を含む。)1本できました。
5年の間に段々と投資手法も変わってきたのですが、大きく分けると

・ディフェンシブ銘柄期
・迷走期
・キャッシュマシーン大好き期
・グロース株探求期(現在)

に分かれているように思います(それぞれの期でかぶっている期間もありますが)。

それぞれの期ごとにどんな投資を行っていたかというのをお話していきたいと思います。

ディフェンシブ銘柄期

まず最初に、投資を始めるまでの流れを簡単にご説明します。

投資には就職してすぐに興味を持ちました。
私は新卒で公務員になったのですが、財務会計に触れることもなければ、最新のテクノロジーに触れる機会もなく、ずっとこの世界に閉じこもっていたら世の中の動きについていけなくなりそうだと感じ、外の世界を見るための窓が欲しいと思っていました。
その窓として、投資に興味を持った、という流れです。

その狙いは予想以上にハマり、おかげで財務会計にも興味が出て簿記二級を取ったり、読む本も本業と関係のない投資、ファイナンス、経営戦略、イノベーション論ばかりになって最終的にはビジネス方向の興味が高まりすぎて公務員を辞めるに至るくらいには勉強意欲は刺激されたのですが、実際に投資を始めるまでには何年かかかりました。
運用できるようなまとまった額が貯まるまでに社会人になってから何年かかかったからです。
始めたころの運用額は100万円くらいでした。

株をはじめた当初は、非常にディフェンシブな銘柄でポートフォーリオを組んでいました。
具体的には $JNJ $MMM $MA $PM $UL $PEP あたりを買っていました(なぜ $PG や $KO じゃなく $UL $PEP だったのかはあまり覚えていません)。
このようなディフェンシブ銘柄を中心に、PER等を見ながら割安と言われる株を買うのが当時の私の投資スタイルでした。
PER30くらいの $MA や $NKE を買うのも結構勇気を出して買ったような覚えがあります。

慣れるまでは損しないことを重視していたということもありますが、この頃はこの辺のディフェンシブ銘柄が人気だったというのもこの方法をとった理由の一つです。

当時はちょうどバフェット太郎さんとかがブログを始めたころで、ジェレミー・シーゲル博士の「株式投資の未来」が一気に広まり、消費財メーカーや飲食料品メーカーの高配当株が人気でした。(当時は大きい本屋に一冊あるかないかの本だったのに、一時期はどこに行っても品切れになり、その後平積みされるのも良く見かけるようになりました。)
特にその本の中でパフォーマンス1位の銘柄として挙げられていたフィリップモリス(今は二つの会社に分かれ $MO と $PM になっています。)は、株ブロガーの方のポートフォーリオを見ると大体嗜みのように入っていました。

逆に $AMZN や $GOOGL は、配当もなくPERも高いということで、ギャンブルだという人もいました。
「リーマンショックから8年が経ち、そろそろ不況が来るはずだ、そうなれば高PER株は大きく下げるので避けるべきだ。今買ったら高値掴みになるぞ。」と言っている方が多かった印象です(たまたま私がそういった意見を目にする機会が多かっただけかもしれませんが。)。
最近のイケイケな市況を見ていると、数年で変わるものだなあと感じます。

しかし、数か月このようなディフェンシブ銘柄への投資を続けているうちに、段々とその投資法に疑問がわいてきました。理由は非常にシンプルですが、一言でいえばパフォーマンスがよくなかったからです。

さすがに銘柄が銘柄なので大損もしませんでしたが、「これ投資してる意味あるのか?」と思っているような投資結果でした。
上にあげたようなディフェンシブな企業は、毎年売上・利益が全然伸びていないか年によっては減ったりもします。
売上・利益が伸びないのであれば株価が伸びるにはPERやPSRが伸びるしかありませんが、成長しない企業のPER・PSRが上がる理由もありません。
そうなれば、その株を持つ理由は配当しかなく、それもせいぜい4%です。4%で満足できるなら個別株投資をやる意味もないなと思いました。

大体、「株式投資の未来」で利回り1位になっていたフィリップモリスも、年率19.75%のリターンのうち14.75%はEPS成長率によるものだと書かれているので、EPSの伸びが止まったら同じパフォーマンスを維持できるはずがないんですよね。

一方で、 $AMZN $GOOGL $NFLX 等は、高PERなんて関係なしに大きく株価を伸ばしていました。
そういった株を見ていて、企業の競争力の源泉が「変わらない強さ」から「変わることができる強さ」へ変化していると強く感じました。

$KO や $PM といった企業は、ブランド力を武器にした企業です。
これらの会社は、何十年も変わらない製品を売って稼いできた会社で、先述の「株式投資の未来」は、こういった「何十年も変わらない製品を売って稼いできた会社」が強いのだと主張しています。

一方で、 $AMZN や $GOOGL は、そういった企業とは違い、既存の事業の柱があるにも関わらず、どんどん新しいことにチャレンジし、新しい事業の柱を生んで、それによって成長を続けていました。

突然ですが、私の好きなジョジョ奇妙な冒険の中でも、こういったセリフが出てきます。

画像1

これは本当に至言だと思います。
ずっと同じことをし続ける企業よりも、状況に応じて柔軟に形を変えられるしなやかさを持った企業の方が強く、将来性があると判断し、成長企業に投資する方向を模索することにしました。

迷走期

これまで書いたような経緯で、私はディフェンシブ銘柄から徐々にグロース銘柄へとポートフォリオの比重を移していきました。

それに伴い、これまで先述の「株式投資の未来」やバフェット本を主に参照していたところから、オニール本やミネルヴィニ本を参照するようになっていき、企業選びの際に見る指標はROEや配当の額からEPSや売上の成長率へと変わっていきました。

方向転換したこと自体は、大枠でいえば正解だったと感じています。
株を始めた当時の「もうグロースの時代は終わり。これからはバリューの時代」という言葉を信じていれば、私は5年間全然伸びない株を抱えたままだったでしょう。
その後も何度も「これからはバリューの時代」と言われることはありましたが、結局グロースの時代が終わりバリューの時代が来ることは、この5年の間にはありませんでした(もちろん、この先来るのかもしれませんが。)。

一方で、方向転換がスムーズにできたとは言えず、大変苦労しました。
手法が違えば、見る株も全然違います。個別企業のお勉強も一から勉強しなおしです。
しかも、$JNJ や $KO や $PM と違って、名前も聞いたことない企業の事業内容を理解するなんてどうすればいいのかわかりませんでした(しかも私は決して英語が得意ではありません。)。

当時の私はまだ今の職場に転職する前で、毎月普通に200時間くらい残業するようなWLBだったため、企業分析に時間を割くことがなかなか難しい状況にありました。

そしてさらに悪いことに、私は成長株の賞味期限の短さを全く理解していませんでした。
元々保有していたディフェンシブ銘柄は動きも遅く年単位で動きをとらえておけば何とかなったのに対し、成長株は数か月で大きく状況が変わります。
やっとどんな企業かわかってきたころには旬を過ぎて価格が下落していたり買い場を逃したりなんてことが多々ありました。
そのうち私は段々と買いの判断を焦り始め、「事業のことがよくわからなくても、チャートを読む能力がつけばなんとかなるのでは?」と安易な方向で考えるようになってしまいました。
結果として、事業内容もよくわかっていないのにチャートの形が良いからという理由で株を買うことが増えました。

念のため補足をすると、チャートを見ることが悪い・意味がないとは思いません。
最初のうちは、トンカチを持つとすべてが釘に見えるがごとくすべてのチャートがカップ・ウィズ・ハンドルに見えたりもしましたが、色んなチャートを見る中で段々と感覚が掴めてきた部分はありました。今もチャートを見ることはあります。

問題は、どんどんチャート「だけ」に頼るようになってしまったことです。元々ビジネスに対する理解を深めるために投資を始めたはずなのに、事業内容も理解していない企業をチャートを元に売買するのは、自分の中でしっくり来ていませんでした。

利益が出た時も、チャートが読めていたからなのか、単に運が良かったからなのかはわからず、投資に対する習熟度が上がっている感覚が全くありませんでした。

運用額が少額なうちは、目先の利益を上げることよりも投資の習熟度を上げることが重要だと思います。
投資の儲けよりも給与からの入金額の方が多いような状態なのであれば、軽傷で済む今のうちに失敗して学んでおいて、運用額が大きくなった後で大きな失敗をしないようにした方がよいと思っているからです。

しかし、当時の私は自分のしていることがちゃんと理解できていなかったため、失敗してもそこから学べることが非常に少なくなっていました。

ちゃんとした理由づけと判断軸があった上で投資して間違えたのであれば、判断軸を微修正することによってその後の判断の精度をあげていくことができます。
しかし、その軸が「なんとなくチャートが良い形」しかなかったため、次も結局なんとなく決めるしかない、という状態でした。

また、せっかく正しい銘柄を買うことができた場合でも、自分の判断に軸がなかったがために大きな利益を取り損ねました。
この時期に買った銘柄の中には、$VEEV $RING $MEDP $SHOP $NOW などその後大きく値が伸びた銘柄も含まれていましたが、いずれも利を伸ばせず、時には損切りで終わりました。
自分の買いに対して自信が持てないが故に握力強く持ち続けることが出来ず、調整で簡単に手放してしまうことが多かったためです。(うまく持ったままでいれば $VEEV $RING $MEDPはトリプルバガー、 $SHOP は6バガーくらいになっていたのに…。)

一年くらいあれやこれやと試した結果、これではダメだ、といったん初心に戻り、自分に合う投資法を改めて考えました。

キャッシュマシーン大好き期

投資へのアプローチを決める上で、その方法が自分に合っているかどうかというのはとても重要なことだと考えています。

主な要素としては
・どれくらい頻繁に取引できる(したい)か?
・どれくらい多くの銘柄に目を光らせられるか?
・買いのタイミングをどれくらい待てるか?
・買ってから利益が出るまでどれくらい待てるか?
・株価の確認をどれくらいの頻度でできる(したい)か?
・どれくらいのボラティリティを許容できるか?
・個別株が好きか?
・自分の理解できる分野はどこか?
あたりです。

これらの要素は人によって違うため、合わないアプローチをとってしまう(例えば、頻繁に取引をするのは時間的に厳しいのに回転率の高いアプローチをとってしまう場合等)と、苦しいですし、勉強へのモチベーションも上がらず結果も伴いません。

そこで、自分の過去の投資を振り返り、自分に合っていた部分、合っていなかった部分を考え直してみました。

自分の合わない投資法、合う投資法はこんな感じでした。

合わない点①:成長しない銘柄を買う
これが合う人がいるのかわかりませんが笑

合わない点②:幅広い銘柄にちょこちょこ手を出す
あんまりいろんな銘柄を調べるよりも、少数でもいいので気に入りそうな・理解ができそうな銘柄を重点的に調べる方が向いていると感じました。

合わない点③:売買のタイミングがシビアな投資をする
のんびり投資したい派なので、毎晩貼りついて買いは今か、売りは今かと判断していくのは神経すり減ってしまいます。

合う点①:長期で安心して持てる銘柄を買う
合わない点③の裏返しになりますが、毎日売りかキープか判断を迫られるような銘柄よりも、強いエコノミックモートを持った長期で安心して持てる企業が好みでした。(なので私は今も、「ポストコロナ銘柄」や「バイデン銘柄」のようなテーマに沿った銘柄選定は苦手です。いつ「ポストコロナ」の時代が終わるか見極めるにあまり神経をすり減らしたくないからです。)

合う点②:トレンドフォローで買う
「迷走期」とは言いましたが、「ディフェンシブ銘柄期」の割安株を負う考え方をやめてトレンドフォローで買う方が私の感覚に合っていました(というか、「長期で安心して持てる銘柄」かつ「成長する銘柄」を買おうと思うとどれも高くて割安株を買おうと思うと選択肢が少なすぎました。)。

合う点③:集中投資
銘柄は絞った方が管理が行き届いて好きでした。逆に、銘柄数が少ないことによるボラティリティの高さはあまり気になりませんでした。

合う点④:個別株が好き
インデックスに勝てないならインデックス投資もありか?とも考えましたが、私はやはり個別株投資が好きなので、そこはあきらめたくないなと思いました。

このあたりの考え方に基づき、強いエコノミックモートを持つ企業を高値ブレイクのタイミングなどで買うのがこの「キャッシュマシーン大好き期」の投資法です。
強いエコノミックモートを持つ企業を直接探すのは大変なので、営業CFマージンやROEでスクリーニングをかけて当たりを付けていて、この頃の主力銘柄が $MA $MSCI $ADBE $FISV あたりの超高効率企業だったのでこの時期を「キャッシュマシーン大好き期」と名付けています。

この方法は、2度の失敗を踏まえたおかげか、結構しっくりきました。
$MA や $ADBE は1年以上保有し続けることもでき、一時ダブルバガーも達成しました。

繰り返しになりますが、「しっくりくる」って大事です。

この時期の投資は本当に楽でした。パフォーマンスがどうこうというより、心安らかかつ楽しかったです。

そんなわけで気に入っていたこの投資法ですが、コロナショックを受けて見直しを迫られることになり、次の「グロース株探求期」に移っていきます。

グロース株探求期へ

このフェーズは、まだ自分自身も模索中で答えが出ていないこともあり、なぜ見直すこととなったのか、ということはもう少し整理して別記事ででもお話できたらなと思っています。

ポイントだけ述べると、
・「長期で安心して持てる銘柄」を買いたいと思っていても、ある程度は新陳代謝の仕組みが必要。コロナのような大きな波が今後も来ることを考えると、ずっと同じ銘柄ではいつか時代遅れになる。
・営業CFや利益を完全に稼げるようになった銘柄だけ追っていると、大きく値を伸ばす銘柄は取り逃がす。
ということを強く感じたためです。

そこで、「長期で安心して持てる銘柄を買う」、「トレンドフォローで買う」という自分の中の軸は維持しつつ、もう少し網をかける銘柄の幅を広げ、ポートフォリオの流動性を生むにはどうしたらいいのか、というのが今模索しているポイントになります。

特に2つめの「営業CFや利益を完全に稼げるようになった銘柄だけ追っていると、大きく値を伸ばす銘柄は取り逃がす」は今年非常にもったいないことをしたと思っています。
正直に言うと、私は今年の米国株市場の波にはうまく乗れていないです。
ROEや営業CFでスクリーニングをしていたせいで、 $ZM $PTON $DOCU 等の当たりをことごとく逃しています。
そして焦りからか、ROEや営業CFが高い中で上げていた数少ない銘柄である $QDEL に事業内容を十分に理解していなかったにも関わらず手を出し、一日で30%下落の手痛いダメージを被っています(売ったあとすぐに戻したので非常に悔しかったです)。

Twitterであれこれ言ってますが、現在進行形で失敗を重ねているわけです。今でも至らない点がたくさんあります。

たまたま10月頃からtwitterアカウントを作って、いろいろな米国株投資アカウントの方をフォローしてツイートを拝見していくうちに、ベテランの方々の腕の良さはもちろんのこと、投資を始めて1年足らずという方の中にも、始めて5年近くが経つ私よりも立派に銘柄のことをよく調べ、自分の投資判断を明確に述べられる方々がたくさんいらっしゃることがわかり驚きました。
漠然と「経験を積めばうまくできるようになるだろう」などと思っていた節も正直あったのですが、個別銘柄分析に関する自分の調査の甘さ、投資判断のアバウトさを痛感させられました。

皆様から勉強させていただきつつも、
・他の方からいただいた情報を鵜呑みにせず、源典(決算書等)に当たる。
・自分の頭で考える。
・自分なりの軸はブレさせない。
といったことは大切にし、謙虚に投資を続けていきたいと思います。

まとめ

そのようなわけで、今回は謙虚さを取り戻すということで、過去の自分の投資へのアプローチ、うまくいかなかった頃のことを振り返ってみました。
他の方が見て面白いと思っていただけるような派手な大損失などはなく、とても地味な内容になってしまいましたが、いかがだったでしょうか。

今回この記事を書いてみて、うまくいかない時期、ストレスがたまる時期があっても今日まで投資を続けられたのは、やはり投資が好きだからだなと再確認しました。

今後どんなに経験と修練を積んだところで、市況が悪ければどう頑張ってもうまくいかない時期も出てくると思いますが、これからも好きな投資をコツコツ続けていきたいと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました!

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA