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クオリティ株モメンタム投資法

クオリティ株モメンタム投資 今月の運用方針変更点と12月の結果発表

ビジネスモデルや業績が優れた銘柄の中から、特にモメンタムが高い銘柄に集中投資することで、優良銘柄の旬な時期を共に過ごすことを目指した「クオリティ株モメンタム投資」を2020年10月末から実践しています。

今回の記事は、12月中に行った投資方法のブラッシュアップの内容をお知らせするとともに、12月のパフォーマンスを振り返ります。

過去の関連記事
・基本的な内容と有効性に関する理論的な内容についてはこちら
・バックテストの結果とこの投資法が向く銘柄の考察についてはこちら
・2020年11月の投資結果についてはこちら

投資方法の変更点

今月開始時点は以下①~③の方法でやっていました。

①買い候補銘柄の選定
ファンダメンタル(ビジネスモデル、利益率、成長率、業種等)を元に、クオリティの高い株を15~20銘柄選ぶ。
②モメンタムの確認
15~20の買い候補銘柄の過去6か月の値上がり幅の高い順に並べ、トップ5銘柄を確認する。
③株の売買
トップ5銘柄のポジションを持つ。
※それぞれの銘柄のポジションサイズは、ポートフォーリオの20%程度でほぼ均等にする。

今月も試行錯誤を重ねた結果、12月27日時点で以下のような方針に落ち着いています。太字部分が変更点です。

①買い候補銘柄の選定
ファンダメンタル(ビジネスモデル、利益率、成長率、業種等)を元に、クオリティの高い株を15銘柄以上選ぶ。
②モメンタムの確認
買い候補銘柄の過去1か月の値上がり幅の高い順に並べ、トップ3銘柄を確認する。
③株の売買
トップ3のポジションを持つ。
※ それぞれの銘柄のポジションサイズは、ポートフォーリオの25%程度でほぼ均等にし、残りの25%は自由枠とする。

それぞれの変更理由について書いていきます。

①買い候補銘柄の数を「15~20銘柄」から「15銘柄以上」に変更

これは単純に、上限を設ける意味をあまり感じなかったからです。
むしろ、「間違った銘柄を買い候補銘柄に入れてしまう影響は低いが、爆益銘柄を買い候補に入れ損ねる影響は大きい」というこの投資法のメリットを生かすには、銘柄選定が適当にならない前提で数を増やしていくことが合理的だと判断しました。

「間違った銘柄を買い候補銘柄に入れてしまう影響は低いが、爆益銘柄を買い候補に入れ損ねる影響は大きい」の検証結果についてはこちらの記事の「20銘柄のパフォーマンスへの影響度分析」をご覧ください。

②モメンタムの計算期間を6か月から1か月に変更

これは、救急医ゆうすけさんのQMY投資法の実践前にバックテストをお手伝いさせていただいた際、ルックバック期間(モメンタムの計算期間のことです)1か月の方が6か月よりもパフォーマンスが高い、という結果が出たためです。
その結果についてはゆうすけさんが動画で発表してくださってますので、そちらをご覧ください。

このバックテストは値動きの激しいバイオ系が多く含まれるヘルスケア分野の30銘柄で行ったため、他の分野では「1か月の方が6か月よりもパフォーマンスが高い」というのは当てはまらないのでは?と考え他のパターンも試してみましたが、別のグロース株でバックテストを行っても、程度の差はあれ同じような結果が出たため、私もその結果に従うことにしました。(基本的に自分の検証結果と心中していくスタイル。)

○注意点
以前ご紹介した「ウォール街のモメンタムウォーカー 〔個別銘柄編〕」では、短期のモメンタム(最大で1か月の期間にわたって測定したモメンタム)とその後のパフォーマンスは逆相関する、とされています。
この調査結果に従えば、ルックバック期間を1か月にするとモメンタム投資は逆効果になりかねない、ということであり、「ルックバック期間は6ヶ月よりも1か月がよい」というのは、値動きの素早いグロース株を母体としている場合に限り成立すると考えられます。
そのため、モメンタム投資の導入を検討されている方は、どういった銘柄にモメンタム投資を適用しようとされているのかを踏まえ、ルックバック期間を検討してみてください。

③ポジションを持つ銘柄を5銘柄3銘柄に変更

これは、いくつかの買い候補銘柄をサンプルに何パターンかバックテストを行ってみたところ、銘柄を絞り込んだ方が、パフォーマンスが高くなるという結果を踏まえたものです。
元々「よほど買い候補銘柄をうまく選定しない限り、数を絞って集中投資した方がパフォーマンスが良い」ということはわかっていたのですが、ボラティリティが高くなるため5銘柄で回していました。
今回は、やっているうちにボラティリティになれてきたため、3銘柄まで減らしました。

残りの25%を自由枠にしているのは、自分の引き出しを増やすために他の銘柄や投資法も試してみたかったからです。
現時点では、モメンタムはそこまででもないけど長期成長を見込んでいる銘柄、割安な銘柄、香港市場上場銘柄などをこの枠使って買っています。

12月の結果発表

12月の私の保有銘柄の変遷と、それぞれの売買の理由、その損益等を1枚にまとめましたのでご覧ください。

※右側に書いてある売買の損益は、購入時からのものなので、12月だけの損益ではないことにご注意ください。

スライド2

sateliteのところは、上で書いた「自由枠25%」のことです。

月の前半は、伸びが良い銘柄が自分の買い候補にそれほど多くなかったので、上記のとおり銘柄を3つに絞りました。
$TWST はうまく伸びてくれていたのですが、 $GRWG と $FVRRは12月に入り少し株価が下がり、月初よりも下げて売ることになりました。
月前半のパフォーマンスは、悪くはなかったもののそこそこ、という感じでした。
なお、3銘柄に絞るときに売った $FUTU $PINS もそのあと上げたわけではないので、「5銘柄のままにしておけばよかったー」とかはないですね。

爆発したのは月後半。ルックバック期間を1か月に変えてからです。
12月14日に $SNOW $FUBO $CLSK の3銘柄体制に移行しました。
初日こそ寄り付きで高値掴んで含み損に終わりましたが、 その後
$FUBO :16日から5日連続で10%以上の上げ、最後の2日は25%以上の上げで1週間でダブルバガーを達成。
$CLSK: 21日、22日と2日連続で18%以上のパフォーマンスを見せ、1週間で+50%。
という爆発を見せてくれました。

14日時点でこれら2つの銘柄に25%ずつ突っ込んでいたということもあり、ポートフォーリオ全体で見ても17日から前日比+7%→+5%→+15%→+14%というスーパーボーナスタイムでした。

ただ、正直に言えばこの暴騰は完全にマグレです。
6か月で見てもモメンタムがいい $CLSK はともかく、 $FUBO に関しては6ヶ月のモメンタムだと14日時点では買っていなかった可能性もあり、たまたま14日に運用方針を変更していたという幸運が $FUBO の利益につながりました。
正直、 $SNOW を含めた3銘柄の中で一番自信なかったのが $FUBO でした。結果的にほぼ完ぺきなタイミングでの買いでしたが、「ここからあがるぞ!」と思って買ったわけではないので、そこはご注意ください。そこまでの精度はこの投資法にありません笑

そのあと、23日の時間外が始まるとともに $FUBO は売りました。
基本的にこの手法は、調整が来たとしても他の銘柄にモメンタムで抜かれるまではホールドし続けるのですが、今回は調整が深そうだと判断し早めに離脱することにしました。
Twitterでなぜ売ったのかご質問いただいて詳しめに回答しているので、ご参考までそのスレッドのリンクを貼っておきます。

$57.3で全部売ったのですが、この記事を書いている12月27日現在 $FUBO は$44.18(時間外 $41.76)なので、もしまた上がり始めても自分が売った時よりも低い値段で買う余裕はありそうで、今のところ売ったのも間違ってはいなかったように思います。

※あくまで自分にとって正解だったというだけで、今持ち続けている方が間違いだというつもりはありません。
比較的短期で回すこの投資法と、長期で見られている方で正解も異なると思うので。

モメンタム投資・集中投資の注意点

そんなわけで、今月は運も味方して「モメンタム投資」「集中投資」というこの投資法の特徴がうまくハマった月でした。

一方で、毎回こうもいかないと思うので、もしこの投資法を取り入れようと考えていただける方はぜひそのリスク・デメリットもご理解の上、用法・容量を守って正しくお使いいただければと思います。

そのデメリットとして、ボラティリティが非常に大きいことが挙げられます。

この投資法は、基本的にボラティリティは無視してとにかく長期的な利益の期待値を上げようという方針で設計しています。シャープレシオとかは計算すらしていません。
個人的な考え方として「一時的なボラティリティの高さに耐える自由があるのが個人投資家の強み」と思っているのでこのような方針を取っていますが、実行するには精神的にそこそこ圧がかかります。

具体的な数値でいうと、今回は2日で+30%くらい得ることができましたが、先月のファイザーショックの時は2日で-25%くらいの被害を受けています。

そういうジェットコースターみたいな投資法なので、大きいボラティリティでも耐えられる、熟睡できる、という方にだけおすすめします。

一気に下がる分回復も早い投資法だとは思っているのですが、高いボラティリティに耐えられない方がこの手法を採用し、下がったときにこの投資法を諦めてしまってその後の回復に乗れない、というのが一番起きやすい失敗パターンです。ある程度の期間続けないと期待値通りの結果は出ません。

もし高いボラティリティに耐えることが難しい方でも試してみたいという場合には、まずはポートフォーリオの一部だけこの投資法を導入していただいた方がよいかと思います。

この記事の中でも投資の変更などについてお伝えしたように、この投資手法は私自身まだ試行錯誤の最中です。

この手法に興味を持っていただけた方に、よくご理解いただいた上で活用していただきたいので、今後とも結果報告・手法の変更などについては透明性を高くしていきたいと思っています。

もし何か運用に当たってご質問などあれば、twitterででもお声掛けください。

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