ぬくブログ
投資法解説

優良グロース株の売買タイミングを考察しました

これまでの記事では、私がどのような観点から銘柄を分析しているか書いてきましたが、株式投資においては、「何を買うか」と同じかそれ以上に「いつ買うか/いつ売るか」が重要になっています。

この記事では、株をいつ買い、いつ売るかについて、私の最近の考え方を整理していきます。

売買タイミングの時間軸

先日読んだ本が、今回の記事を書くにあたって頭の整理に非常に役に立ったので、ご紹介します。

この「高リターン・低ドローダウン戦略」という本です。


強気でも弱気でも横ばいでも機能する高リターン・低ドローダウン戦略 ――買いと売り、長期と短期の無相関のシステムを組み合わせる

この本の内容を一言で要約すると、
異なる時間軸の売買システムを組み合わせることで、パフォーマンスを向上させるとともに、ドローダウン(ピークからの下落の大きさ)を抑えることができる」というものです。

異なる売買システムを組み合わせることでドローダウンを抑えるという試みは他の本でもいくつか見たことがありますが、大抵そういった場合、ドローダウンを低下できる代わりにパフォーマンスが下がっていたりするため、個人的にはあまり魅力的に感じていませんでした。

例えば、モメンタム投資とバリュー投資を半々で運用することでドローダウンを抑えようとする「ウォール街のモメンタムウォーカー(個別銘柄編)」では、この2つの投資法を組み合わせることでドローダウンを抑え、シャープレシオを向上させているのですが、モメンタム投資一本で投資するのと比べてパフォーマンスがそれほど変わりません。

個人的には、「ならモメンタム投資一本でやった方がシンプルでいいのでは?」と思ってしまいます。わざわざ2つのシステムを組み合わせるという複雑なことをしてまでやる必要があるとは思えませんでした(そう考えてモメンタム投資に全振りしたのが以前取り組んでいた「クオリティ株モメンタム投資」になります。)。

が、この本ではパフォーマンスの向上も見込めるということで、興味深く読みました。(例えば、2つのシステムを組み合わせたパフォーマンスが、1つのシステムのパフォーマンスよりもCAGRで10%以上高くなっていました。)

この本のポイントをもう少し詳しくお話すると以下のようになります。

ポイント1:組み合わせるべき4つのシステム

組み合わせるべき売買システムは以下の4つがある。
①長期トレンドフォローの買い
②長期トレンドフォローの売り
③平均回帰の買い
④平均回帰の売り

ポイント2:長期トレンドフォローの買いの性質

  • 長期トレンドフォローは、200日移動平均線や直近最高値からの下落率等を使って上昇トレンドを測った上で、上昇トレンドの始まりで買い、終わりで売る方法。
  • 数か月~数年のタイムスパンで売買する。
  • 勝率は高くないが、一回当たりの勝ちの利益が大きくなる。

ポイント3:平均回帰の買い/売りの性質

  • 平均回帰の買い/売りは、短期で急激に下がった銘柄を戻り狙いで買い、短期で急激に上がった銘柄を戻り狙いで売る方法。
  • 数日間の短いタイムスパンで売買する。
  • 素早く利確するため、一回当たりの利益は大きくない(4~5%で利確する)が、勝率は高い。

ポイント4:長期トレンドフォローの売りの性質

  • 「②長期トレンドフォローの売り」は、他の売買システムと組み合わせて行うには保険として機能するが、単体で使うとパフォーマンスはマイナスになる可能性が高い。

ポイント5:複数の売買システムの組み合わせの効果

  • ベースは長期トレンドフォローの買いと平均回帰の買い/売りの3つのシステムを組み合わせる。(長期トレンドフォローの売りはお好みに応じて活用する)
  • そうすることによって、いずれか1つの売買システムだけを使う場合よりも、パフォーマンスは上がり、ドローダウンは下がる。

といった内容になります。最後のポイント4はなるほどなと思いました。長期で見れば米国株市場は右肩上がりになっているので、いくらトレンドが下向きの時だけとはいえ、売り向かった場合の期待値は高くはならないですよね。

具体的にどのようなケースで「上昇トレンド」と判断するのか、どのような場合に買われすぎ/売られすぎと判断するのか、ということについては、色んなパターンが紹介されているので、ご興味ある方はぜひその辺りは本をお読みいただければと思いますが、異なる時間軸の売買システムを組み合わせることで、パフォーマンスを向上させるとともに、ドローダウンを抑えるという本書のエッセンスは非常に魅力的に感じました。

私の売買戦略へどう取り組むか

では、この本の内容を、いかに自分の投資戦略に組み込むことができるのか。

この「高リターン・低ドローダウン戦略」は、システムトレードの本です。ルールに従い、買いシグナルが出たら買い、売りシグナルが出たら売る。銘柄のファンダメンタルズは完全無視です。(本の中にも「ファンダメンタルズは気にしない」と明確に書いてあります。)

一方で私は、企業のファンダメンタルズを重視していますし、裁量トレーダーです。
また、ロングオンリーで、ショートはしません。

そのような基本的なスタンスの違いがある中で、取り入れられる部分はあるのか?その検討の結果を整理したのがこの記事の本題になります。

ということで、私の当座の売買戦略を書いていこうと思います。

前提:これまでの方針を維持する点

まず前提として、以下の投資方針はこれまで通り変えずに行こうと思います。

  • ファンダメンタル分析をベースにし、その基準をクリアした銘柄だけを売買する。値動きだけに着目した売買はしない。
  • ショートはしない。

もうこの時点で本の方針と全く別物じゃねーかってツッコミもあるとは思いますが、あの本の内容は要は「機能する時期・長所が異なる複数のシステムを組み合わせること」がポイントだと思うので、取り込みようはあると思っています。

時間軸の設定:短期・長期・超長期

「高リターン・低ドローダウン戦略」では、短期の平均回帰と長期のトレンドフォローの2つの時間軸で売買を行っていました。

が、私はそのほかにもう一つ、「超長期の価値回帰」というサイクルがあるのではないかと考えています。超長期の価値回帰とは、「株価は長い目で見れば企業価値に収束する」という考え方です。(名前は私が勝手につけました。)
バフェット的な考え方ですね。
「高リターン・低ドローダウン戦略」ではファンダメンタルは無視していたので超長期の考え方はなかったのですが、ファンダメンタルを考慮するならこのタイムスパンは欠かせないと思います。

まとめると、株価は短期的には直前の動きを打ち消す方向に動き、長期的にはトレンドに沿って動き、超長期的には企業の価値に収束するというのが基本的な考え方です。

これを買い/売りと組み合わせると

  1. 超長期の価値回帰の買い
  2. 超長期の価値回帰の売り
  3. 長期のトレンドフォローの買い
  4. 長期のトレンドフォローの売り
  5. 短期の平均回帰の買い
  6. 短期の平均回帰の売り

この6つの売買システムが理論上ありうることになります。
なお、ショートはしないので、この場合の「売り」とは既存ポジションの売却を指します。

それぞれのシステムを使うのかどうか、使う場合は具体的にどういう考え方で買う/売るのかを考えていきたいと思います。

先に概要をご説明すると、
①超長期の価値回帰の買い
③長期のトレンドフォローの買い
⑥短期の平均回帰の売り
の3つをベースにして戦略を組んでいます。

1.超長期の価値回帰を狙った買い

株価のバリュエーションを見て、本来価値よりも安いと思えば買います。
全般的な話として、しっかりファンダメンタル分析をし、長く持ちたいと思える銘柄のみに限定して投資することにしていますが、このタイムスパンで投資する場合には特にその点を重視する必要があると考えています。

本来価値に戻ってくるまでには、非常に長い時間を要する可能性もあります。銘柄を信じ、その長い時間を耐えるのは、その銘柄に対する深い理解と自信が必要になるので、中途半端な理解で買うと簡単に振り落とされたりします。妥協してはいけません。

また、将来性に自信があっても、実績としてその将来性が現れていない(現れるまでまだ当分かかりそうな)銘柄は、超長期の価値回帰を狙って買うのはちょっとリスキーな気がしています。
実績がなく、株価の変動が投資家の期待に依存する銘柄であれば、トレンドも注視しながら投資していきたいところです。

買いのタイミング

買うタイミングは、株価のバリュエーションが低い時です。(当たり前ですが。)
株価のバリュエーション以外にも、出来高の推移やチャートの形等を見て、可能な限り底が近いかどうか考えていきたいとは思いますが、あくまで参考程度にとどめ、基本的には「底を当てることはできない」というスタンスで行きます。
そのため、安くなっても、更に下落する可能性も考慮して、欲しい量を一気に買わず、何度かに分けて購入します。

この「超長期の価値回帰を狙った買い」のチャンスは、大きく分けて以下の3つのタイミングであらわれます。

  1. 市場全体の懸念に引きずられて下落した時
  2. セクター(「小型」や「グロース」等の括りを含む。)の懸念に引きずられて下落した時
  3. 銘柄固有の要因により下落した時

この3つのパターンだと、③に行くほど慎重に買いを判断した方がいいと考えています。
マジョリティの判断が間違っていて自分の判断が正しいと本当に言えるか、よく考えて買うことが必要です。
「良い銘柄が下がったら買いのチャンス」と考えなしに突っ込んでいくと手痛いダメージをくらうように思います。

損切

このパターンでは、損切りはしません。むしろ、下がったらもっと買い向かうのがこのスタイルです。

利確

基本は、元々のストーリーが崩れた時で、基本的には価格変動に基づく利確はしません。
ただし後述のように、あまりにも急激に上がった時には売却することもありえます。
また、あまりにもずーっと株価が低いままで機会損失を感じており、かつ他にキャッシュを割きたい銘柄ある場合には売ってそっちに資金を回すこともあり得ます。

メリット

  • シンプルに「いい銘柄を安く買える」という点がメリットで、うまくこの方法で買い集めができると、PFの基盤が強くなります。
  • 危機を利用することができ、下落時に将来へのリターンへの布石を打つことができます。

デメリット・注意点

  • 良い銘柄を安く買えるチャンスは中々都合よく来るものではないというのがデメリットです。特に優良銘柄は、ずっと「高い」と言われながらもスルスル上がっていくこともあります。待っているとずっと買い場が来ない点がリスクです。
  • 本来価値よりも安く買うことに成功したとしても、本来価値に回帰するまでに予想以上の時間を要することもあり、資金効率が悪くなることもあります。
  • 株価が本来価値に回帰する前に、ファンダメンタルズの方がダメになってくる可能性もあります。

2.超長期の価値回帰を狙った売り

繰り返しになりますが、私はショートはしないので、ここでいう「売り」は既存ポジションの売却を指します。
なので言い換えると、「超長期の価値回帰を狙った売り」とは要するに、「銘柄の本来価値を株価が下回った状態から上回った状態に変化した場合に、売るべきかどうか」ということです。

結論を言うと、私は銘柄の本来価値を株価が上回ったからと言って、売ることはしません。

銘柄の本来価値を株価が下回った状態から上回った状態に変化した場合には、基本的にその銘柄は上昇トレンドにあると思われます。

上昇トレンドにある場合、そのトレンドが続く限りは利を伸ばし、トレンドの転換を見て利確した方が得することが多いように思います。一度トレンドに乗れば、妥当なバリュエーションの数倍の値段が付く銘柄というのも、割とあります。

なので、銘柄の本来価値を株価が上回っても、よっぽどのことがない限り一旦無視です。

3.長期のトレンドフォローを狙った買い

トレンドの始まりとともに買い、トレンドの終わりとともに売る戦略です。

この戦略をとるケースは

  1. 本当は「1.超長期の価値回帰を狙った買い」を仕掛けたかったが、中々株価が下がって来ず、十分な株数を集められなかった
  2. その銘柄を知ったころには既に株価が随分上がってしまっていた
  3. 将来性には期待しているが、現時点で業績がついてきておらず、他の投資家の期待・注目度の後ろ盾が欲しい

というようなケースが想定されます。

ざっくりいえば、バリュエーションの観点から見たら妥当な株価を大きく超えてしまっていて買えない場合や、そもそもバリュエーションを行うにはあまりにも不確定要素が大きいような場合に、トレンドの助けを借りるイメージです。

買いのタイミング

買うタイミングも大きく分けて3つあるかなと思っています。

1.トレンドの開始時

まず1つ目がトレンドの開始時です。

何を持ってトレンドが開始したか判断するのかは、色んな方法があるのでケースバイケースで判断したいと思いますが、代表的なものでいうと

  • カップウィズハンドル等の特定のベースを上に抜けた
  • 特定の移動平均線を上に抜けた
  • 短期の移動平均線が長期の移動平均線の上に抜けた

辺りがあるかと思います。

トレンドの開始時は、有効な買いのタイミングであるとは思いますが、非常にタイミングが限られるのが難点です。特に、最近知った銘柄の買いタイミングを探るような場合、既に上昇トレンドに入っていたら手が出せなくなってしまいます。

2.押し目買い

そこで2つめの買いタイミングが押し目買いです。

  • 市場全体の調整時
  • 決算直後(いい決算だったはずなのに?)の謎の下落
  • 単なる上がりすぎの調整

等の要因で押し目が来るタイミングを利用して買おうという魂胆です。

これなら、ある程度上昇した後でも買うタイミングを見つけられる可能性があります。

ただ、それが本当に一時的な押し目なのか、下落トレンドの始まりなのかは買った時点で答えが出ていないため、下がっている原因を確認し、その下げが一時的なものになる可能性が本当に高いのか、よく考えることが必要だと考えます。

また、逆方向のリスクとして、「押し目すら来ない」ってパターンもあります。
そんなときはどうしたらいいのでしょうか。どんどん上がっていくその銘柄を見守るしかないのでしょうか。
そんなときには最後の手段「打診買い」です。

3.打診買い

かっこいい言い方してますが、要は「買いたいときに買っちゃう」ってことですね。

トレンド開始時や押し目の買いに比べればリスクは上がりますが、分析をした結果よほどその銘柄に惚れ込んだのであれば、とりあえず買っちゃってその後の押し目を待つっていうのはありだと思います。いい銘柄ほど押し目も来ないものなので。
また、持っていた方がその後押し目が来たときに気づきやすい、というメリットもあります。

ただ、打診買いであまりポジションサイズを上げすぎないようにした方がいいとは思っています。その後に押し目が来た場合に買い増す余白はあった方がいいと思います。あくまで「打診」なので、リスクを負いすぎないように気を付けたいところです。

損切

どれだけ下がったら損切りするかは色々考え方があると思いますが、このケースでは何かしら損切を設定した方がいいと考えています。

銘柄の本来価値を大きく上回っている(可能性が高い)銘柄を買うことになるので、下がるときは一気に下がる恐れがあります。

どれだけ下がったら損切りするかは、直近の支持線、その銘柄のボラティリティの激しさ、本来のバリュエーションとの乖離具合等を考慮して決めることになると思います。面倒であれば一律〇%とかで置くのもありだと思います。

利確

トレンドが続く限り引っ張って利を伸ばします。
逆に言えば、トレンドの終了時点が利確のタイミングになります。

トレンドの収量を判断する方法はいくつかあると思いますが、

  • 特定の移動平均線(200日か150日あたり)を割る
  • 特定の期間(1年間等)のパフォーマンスが一定割合を下回る
  • 最高値からの下落率が一定の割合を超える(20~25%くらいが相場でしょうか。それより低いと簡単に引っかかってしまいますし、それより多いと遅すぎる気がします。)

辺りがメジャーな気がします。

メリット

  • 資金の運用効率が高くなります。
  • 「高すぎて買えない」をなくし、機会損失を防ぎやすくなります。

デメリット・注意点

  • 高値掴みのリスクがあります。リスク管理は慎重に。この方法では半分又はそれ以上の確率で損切に終わることも受け入れなければなりません。
  • 「長期のトレンド」を追っているはずなのに、どんどん短期のトレンドを追うようになりがちです。少なくとも数か月単位でのトレンドを見た方がいいと思います。
  • 相場が悪いとノーチャンスになるおそれがあります。
  • FOMOを正当化する言い訳に使わないようにしましょう。本当にその銘柄が良い銘柄で、長くトレンドを継続できるようなファンダメンタルズを備えているのか、高値掴みを覚悟の上で飛び込む価値のある銘柄なのかどうか、よーーーーーーく検討しましょう。

4.長期のトレンドフォローを狙った売り

「3.長期のトレンドフォローを狙った買い」の利確の考え方と大きく変わらないため割愛します。

5.短期の平均回帰を狙った買い

これは「やる」と言うのか「やらない」というべきか迷うところですが、私の整理でいうと短期の平均回帰を狙った買いは「やらない」つもりです。

上に書いたように、上昇トレンドでの押し目買いはするので、「一時的な下落に買い向かう」という点で似たようなことはします。

ただし、短期の平均回帰を狙った買いは、ただ単に「一時的な下落に買い向かう」というだけでなく、「買って数日間で反騰することを期待する」「期待通りに反騰したら利確する」という要素も含みます。その点で、上昇トレンドでの押し目買いとは異なります。

上昇トレンドでの押し目買いは、上昇トレンドが終わるまでは利確しません。
また、別に数日の間にすぐ上がると期待しているわけでもありません。買った後1~2週間横ばいになっても損切ラインさえ割らなければ全然OKなのが上昇トレンドでの押し目買いです。

前提として、私が買う銘柄は基本的に優良銘柄なはずであり、そういった銘柄は基本的に上がっていくはずです(実際どうなるかはともかく、少なくともそう期待しているから投資しているはずです。)。

であれば、数日の上げで満足して売ってしまうのは私の基本戦略とは相性が悪い気がします。もし相場の状況が悪くなってどの株も沈んでいるような状態なら細々した利益を集めることも大事かもしれませんが、そういった状況では超優良株を安値で仕込むチャンスを探そうというのが現時点での方針です。

6.短期の平均回帰を狙った売り

株価が短期間で著しく上昇した場合に売り、株価がある程度下がったところで買い戻すというパターンを想定しています。

売りのタイミング

数日で数10%上がったとか、チャートが見るからにクライマックストップだとか、いかにも揺り戻しで下がりそうだなーってケースがあります。そういう時に、調子に乗らずにちょっと利確して、その後の下落で買い戻しを狙うというパターンです。

個人的なコツとしては、よっぽど極端な上げじゃなければ持ってて良い気がします。

ショートをしない以上、ここで売れる銘柄は元々保有している優良(なはずの)銘柄に限られ、しかも買われすぎと思われるくらいノリにノッている状態とあれば、下手な小細工で売ってしまうのは持ったない気もします。

私がたまにやるのは、「前日の終値に指値売り入れておく」ってパターンです。
そんな事したら普通は簡単に指値に引っ掛かって売られてしまうのですが、極端な上げの時は、前日比+5%とかで寄り付いて1日中前日の終値を上回って推移するか、急に反落して前日終値を一気に割るかの両極端な動きをするケースも見られるので、割と機能します。(私は2、3回これでうまく行ったことがあります。決まるとめちゃくちゃ気持ちいいです。)

損切(=高値買い戻し)

紛らわしいのですが、この場合の損切とは、「一時的に反落すると思っていたのに、勢いが強すぎてそのまま上がったので、売った価格より高く買い戻した」というパターンです。

これも、基本的には損切ラインを設定した方がいいと思っています。
ここで売る銘柄は、ファンダメンタルズも優れて株価に勢いもある超優良銘柄なはずで基本的にはホールドしていたい銘柄です。なので、「上がりすぎ」という目算が外れたなら、買いなおしたいところです。

ただ、損切ラインはあんまりギリギリに設定しない方がいいと思います。極端な上がり方をしている銘柄に浅めの損切ラインを設定してしまうと、簡単に引っかかってしまいます。

利確(=下落後買い戻し)

あまり欲張らず、数%利益が出たら買い戻すのが良いと思っています。

これも上と似たような理由で、優れた銘柄は基本握っておきたいからです。欲張った結果、
株価が本来価値より下がるのを待ち、押し目を待ち、ようやく手に入れた銘柄を買い戻すタイミングを逃してしまっては悲しすぎます。

ただし、クライマックストップを付けたような場合は、短期間で反対方向に20%程度落ちることも割とあるので、上がっていた時の勢いを加味して利確ラインを設けるのが良いと考えています。また、クライマックストップ後の銘柄はそのあとしばらく株価が方向感を失うことも多いので、場合によっては買い戻しのタイミングをしばらく待つのもありです。

メリット

  • 相場の過熱時のリスクを抑えることができます。

デメリット・注意点

  • 多用しすぎると、せっかく手に入れた優良銘柄を手放すことになりかねません。また、トレードの回数が増えて疲れます。
  • 自分の持ち株に、この戦略が機能するような急な上昇トレンドが生じるケースはそれほど多いわけではありません。
  • 急な上昇に有頂天になり、売りを仕掛けるのをすっかり忘れていた、なんてことがないように気を付けましょう。(冷静に判断して売りを見送るのはOKです。)

買いと売りの時間軸を一致させる

これまで、いくつかの時間軸での売買システムについて書いてきました。

そんなに厳密に6パターン分ける必要があるのか?と疑問もあるかとは思いますが、私はこの整理は結構大事だと思っています。
というのも、売買をする上では、「買いの時間軸」と「売りの時間軸」を一致させることは非常に重要だと考えているため、買う時点で、どの時間軸を考えて買ったのかちゃんと意識して買わないと、いつ売るのか(又は売らないのか)わからなくなります

時間軸を曖昧にしてしまうと、

  • 超長期の価値を見て買ったのに、少しの上げで売ってしまう。
  • 長期の上昇トレンドに乗って買ったのに、トレンドが崩れてもホールドしてしまう。

というような失敗をしがちです。

2つめの例でいうと、トレンドが崩れた時点で、バリュエーションが割安になっているのであれば、売らずに「超長期の価値回帰を狙ったホールド」に切り替えるのもありだと思います。

ただし、単なる「売りたくない言い訳」にならないよう、バリュエーションはしっかりと吟味する必要があると思います。

基本的に、株価を下支えするものは、ファンダメンタルズに基づくバリュエーションか、トレンドのどちらかです。

トレンドも崩れ、バリュエーションも割高なのであれば、その企業の株価を支えるものは非常に弱く、下落リスクが高い状態と言えると思います。

このような失敗をしないように、それぞれの銘柄の売買理由を整理して、頭の中で明確に仕分けた上で売買をすることが有効だと思い、今回のようなパターン分けをしてみました。

市況に応じた売買システムの機能の仕方(理想)

以上のように、私は
①超長期の価値回帰の買い
③長期のトレンドフォローの買い
⑥短期の平均回帰の売り
の3つのタイムスパンで売買をしようと考えています。

最後に、この3つの投資法はそれぞれの弱点を補完し、パフォーマンスの向上と安定化に貢献してくれるのでしょうか?

それを確認するため、①堅調時 ②加熱時 ③横ばい時 ④下落時 の4種類の場面で各売買システムがどう機能しそうか考えていきます。

①堅調時

株価は順調に上がっているため、超長期の価値回帰を狙える場面は少ないです。

一方で、上昇トレンドの銘柄に利を乗せるには最適な時期です。トレンドの転換には注意しながら、トレンドに乗って株価が上がって行くのを楽しく眺めます。

②加熱時

割安で買える場面は相変わらず来ませんが、上昇トレンドの銘柄は引き続き伸びていきます。

ただし、加熱しているときは、調子に乗ってさらに買い増したりするのはリスクが高いです(「加熱しているかどうか」の判断自体がかなり難しいのですが。)。買い増しのタイミングは慎重に行いましょう。

また、短期の売りのチャンスが出てきます。急激に株価が上がった場合には、利確して下で拾い直すことでリスクを下げていきます。

③横ばい時

上昇トレンドを狙った売りは機能しにくくなります。上昇トレンドの終わりが確認できた銘柄は、利確していきます。

横ばいの局面では大きな勝負はしかけにくいですが、急に数日間上がて投資家を期待させるようなケースもあるので、そのような場合には短期の売り→買い戻しで利鞘を狙います。(このような場面では、新しい上昇トレンドの始まりと判断して買いますケースもありえます。この判断は非常に難しい場面です。迷ったら何もしないのが吉かもしれません。)

株価がヨコヨコしている間に業績が上がってくると、割安に見える銘柄も出てくるかもしれません。このような場面では、超長期の価値回帰を狙って優良銘柄の安値買いを狙っていきます。

④下落時

この場面になれば、上昇トレンドの銘柄はほとんどないでしょう。上昇トレンド狙いのポジションはほとんど利確・損切りされ、キャッシュが増えてくるはずです。

そのキャッシュを、割安に見える優良銘柄に回していきます。

短期の平均回帰を狙った売りは、そもそも急な上昇が発生しないと思われるため、活躍の場は少なそうです。優良銘柄を安く拾うことに専念します。

好みによって、ベアETFなどで相場の下落から利益を狙うこともあり得るとは思いますが、求められるスキルが私の今持ってるスキルとはだいぶ違うと思われるため、今のところはやらないことにします。

市況に応じた各売買システムの機能の仕方まとめ

  1. 堅調時:上昇トレンドの銘柄を仕込む
  2. 加熱時:短期の売り→買い戻しでリスクを下げる
  3. 横ばい時:基本静観しつつ、たまに上げ過ぎたら短期の売り→買い戻しをして利鞘をとる
  4. 下落時:上昇トレンド狙いの銘柄を手仕まい、優良銘柄を安値で仕込む

という感じです。

横ばい時の動きがちょっと定まりにくいですが、3つの売買システムはうまくお互いに補完できそうな感じはします。(少なくとも理論上は。)

ここまで考えたとしても、「そもそも今が堅調時なのか、加熱時なのか、横ばい時なのか、下落時なのか、どうやって判断するの?」っていうのは別の問題として残るわけですが…笑

同じ銘柄のポジションを異なるシステムで立てた場合の戦略

もう少し複雑なケースにおいて、どのように売買をしていくか考えていきます。

Aという銘柄があるとします。
企業価値を分析した結果、銘柄Aの価値は1Vドルであると結論付けたとしましょう。つまり、株価が1Vより小さければ割安、1Vより大きければ割高ということになります。

この銘柄Aの今の株価が0.9Vだったため、本来価値よりも低いと判断し、100株買いました。最終的には350株集めたいのですが、まだ落ちるかもしれないのでまずは100株だけに抑えました。
その後、銘柄Aは0.8Vに落ちたのでさらに100株買い増しました。
あと目標まで150株です。
下がるかと思って待っていましたが、株価は上昇トレンドに転じ、買い増す前に1.2Vまで上がってしまいました。

こうなると、超長期目線での買い増しはしにくくなります。「超長期では企業価値に収束する」という考え方に基づくならば、株価は1.2Vから1Vに戻るはずです。V自体も大きくなりうるためプラスで終われる可能性もあるとはいえ、少し分の悪い勝負です。

一方で、もう少し短いタイムスパンで見れば、しばらく銘柄Aの株価は1.2V付近かそれ以上で推移する可能性は十分あります。
そこで、買い足りなかった150株分を、「上昇トレンドを狙った買い」として買い増しました。
これで晴れて目標の350株達成です。

さて、その後しばらくして、銘柄Aの上昇トレンドが終わったとしましょう。

この時、銘柄Aを売るべきでしょうか。売るとしたら何株売るべきでしょうか。
その銘柄については長い目で見て強気なのだから、350株全部キープすべきか?
それとも、トレンドが崩れたのだから全部売るべきか?

これまで述べてきた原則に従うならば、私の基本的な答えは「150株だけ売り」です。

先に書いたように、買いと売りの時間軸は合わせるべきだと考えています。
なので、超長期目線で仕込んだ200株は、ファンダメンタルが崩れるまでは基本キープしたいところです。
一方で、上昇トレンドに合わせて買った150株は、ずっと持っていたら本来価値に回帰して値が下がるのが必然です。なので売ります。
また、ここで売らないでいると、大きな下落が起きた時に下で拾うキャッシュが減ります。リスク管理の観点からも、150株は売るのが基本的には良いと考えています。

ただし、あくまでこれは原則です。全部キープする場合も、全部売る場合も、考えられます。

全部キープする場合

全部キープする場合は、トレンドが終わった時点で、株価が1Vを下回っていた場合です。この場合、「トレンドが崩れたことに伴い売るが、超長期の価値収束を狙って買い戻す」という可能性が生まれますが、ホールドすることによって、実質的に売って買い戻すのと同じことをやるわけです。
逆に言えば、トレンドが終了して株価も1V を上回っていた場合、少なくとも150株分は売り一択と考えています。株価が十分に下がってくるか、また上昇トレンドが始まるまで待ちます。

全部売る場合

基本的には超長期枠のポジションはキープしたいところですが、以下のようなケースでは、全部売ることも考えられます。

トレンドが崩れた時点で、バリュエーションがあまりにも高い時

前述の通り、企業価値よりも安いという理由で買った銘柄も、企業価値より高くなったからと言ってすぐ売ることはしません。しかし、株価が本来価値から大きく乖離していて、かつトレンドも崩壊しているのであれば、流石に売っていいんじゃないかという判断です。

例えば、トレンド崩壊前に、銘柄Aの株価は勢いに乗って一時3Vまで上昇したとしましょう。
そしてトレンドが崩壊した時点でもまだ2Vあったとします。

先ほども書いたように、株価を下支えするものはバリュエーションかトレンドの2択なわけですが、この状況下ではどちらの観点から見ても下落するリスクが高いです。

であれば、いったん全ポジション解消して、株価が十分に下がってくるか、また上昇トレンドが始まるまで待った方が、一般的にはリスクリワードが高い動きと言えるでしょう。

トレンドの崩壊が、ファンダメンタルに大きな影響を及ぼしうるニュースとともに発生した時

トレンドの崩壊が、単に買われすぎの調整であれば、あまり気にする必要はないと考えます。
一方で、ファンダメンタルに大きな影響を及ぼすようなニュースが出て、それに伴って株価が大幅下落・トレンド崩壊というケースの場合、いったん全売りも選択肢かと思います。

基本的な前提として、超長期目線の買いの利確タイミングは、ファンダメンタルのストーリーが崩れた時です。完全にストーリーが崩れたと判断できたら、その時点で売ることになります。
一方で、ストーリーが崩れたと誰の目にも明らかになってから売ったのでは、大抵の場合逃げ遅れます。

そうならないためにはどうしたら良いのか。他の人より早く「ストーリーが崩れた」と確信を持てるように分析を尽くすか、確信がもてる前に「疑惑」の時点で売ってしまうかの2択です。

疑惑の時点で売るケースの例としては、粉飾疑惑や、事業の根幹に大きな影響を及ぼすような法改正のニュースとかでしょうか。
この辺は、疑惑が確報に変わる頃には株価は1/5とか1/10とかになっていることも十分ありうるので、いったん逃げておくのが安全だと思います。

逆に言えば、成長鈍化のおそれがあるというニュース、製品の質が大して良くないというショートレポート、証券会社のダウングレード、あたりのニュースに反応しただけであれば、慌てて売らずにニュースの真偽や投資ストーリーへの影響の大きさを検討する時間はある程度残されているように思います。(もちろん、場合によりますが。)

まとめ

ということで、売買のタイミングについて今回検討しました。

まとめると以下のようになります。

  • 異なる時間軸の売買システムを組み合わせることで、パフォーマンスを向上させるとともに、ドローダウンを抑えることができる
  • 投資する銘柄は、長期的な成長が期待できる優良銘柄に絞り込みつつ、売買のタイミングは「超長期の安値買い」「長期のトレンド買い」「短期の急騰売り」の3つのタイムスパンで行う
  • これは、株価は短期的には直前の動きを打ち消す方向に動き、長期的にはトレンドに沿って動き、超長期的には企業の価値に収束する、という考え方に基づく
  • 市場が堅調な時は上昇トレンドに乗り、加熱した時は利確→買い戻しを活用し、下落時は安値を買うことで、市況に関わらず一定のパフォーマンスを上げることを目指す

となります!

私の経験としては、昨年末から今年の2月くらいまでは、モメンタム一本槍の戦略で取り組みました。上がる時は一気に上がってありがたい限りでしたが、その分非常に大きなドローダウンも被りました。

その経験から学び、最近は企業の価値に着目した投資に切り替えました。市況が厳しい時に買ったSNOW、SE、CRWD辺りはお宝になってくれましたが、安値買いにこだわるあまり十分なポジションサイズに達しないケースもいくつかの銘柄で見られました。

やはり、それぞれの手法は一長一短あることを感じるため、今まで取り組んできたこれらのアプローチを統合し、新しいステップにチャレンジしたいなということで今回の記事を書いてみました。

やってみてまた作戦変更などする場合にはブログでまとめて行こうと思います。

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