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マルチバガー分析

株価はいつ上がるのか?を2020年の代表的な銘柄から分析してみる

2021年の投資方針を考えるにあたり、「モメンタム投資戦略」と「優良銘柄ガチホ戦略」のバランスを検討していました。
その検討に当たって、「株価っていつ上がるのだろうか?」ということが気になり調べてみたので、この記事ではその結果をまとめます。

分析対象銘柄と2020年のパフォーマンス

今回分析対象にする銘柄は

  1. NIO
  2. PLUG
  3. CELH
  4. GRWG
  5. TSLA
  6. FVRR
  7. APPS
  8. PTON
  9. ZM
  10. SE

の10銘柄です。
いずれも2020年を代表する銘柄ということで選びました。

まずは、これらの銘柄が2020年にどれほどのパフォーマンスを上げたのか、また、上げた日と下げた日がそれぞれ何日あったのか、ということを見ていきましょう。それが以下の表です。

「年間パフォーマンス」は、2019年12月31日と2020年12月31日の終わりで比較し、何%上げたかの数字です。左の銘柄ほど年間パフォーマンスが高くなるように並べています。1年間で、NIOは約12倍、SEは5倍になったということですね。
「上げて引けた日」「下げて引けた日」は、前日の終値と比較して、上げたか下げたかで判断しています。
「勝率」は、全取引日のうち何日上げて引けたかの割合です。2020年は取引日が253日あったようなので、「上げて引けた日/253」が勝率になります。

大体どの銘柄も55%±3%くらいに収まり、50%を下回る銘柄も60%を上回る銘柄もありませんでした。

面白いのは、左にある銘柄の方が年間パフォーマンスは良いのに、勝率は必ずしも左にある銘柄の方が高いわけではない、ということですね。(むしろこの10銘柄だと右の方の銘柄の方が勝率が高い。)

つまり、この10銘柄のパフォーマンスの差は、「何日上げたか」ではなく、「上げた日にどれだけ上がったか」「下げた日にどれだけ下がらなかったか」で決まった、ということです。

10銘柄の上げた日のパフォーマンス

では、この10銘柄は上げた日にどのようなパフォーマンスをみせていたのでしょうか?
それをまとめたのが以下の表です。


銘柄ごとに、パフォーマンスがよかった日を上から並べています。
例えばNIOであれば、2020年で最もパフォーマンスがよかったのは7月6日で、22.7%の上昇だった、ということになります。
一番右の「累積」は、後で詳しく解説するのでいったん飛ばします。

これを見ると、年間パフォーマンスは、最も上げた日のパフォーマンスとはあまり関係がなさそうですね。
NIOが最も上げた日は22.7%ですが、GRWGの42.7%、ZMの40.8%等、最も上げた日だけを見ればNIOを上回っている銘柄はあります。(GRWG、ZM、CELH、APPS、FVRRと、5銘柄が上回っています。)
一方で、21番目に上げた日でも11.1%上昇しているのを見ると、1日で暴騰したわけではなく複数の日にバランスよく上げたことがわかります。同じ値をZMとSEで見ると、ZMは7.0%、SEは6.4%です。

パフォーマンスを決める「運命の17日」

今度は、先ほど飛ばした「累積」の観点から分析したいと思います。
もう一度先ほどの表を示します。


一番右の「累積」というのは、パフォーマンスが良かった日の上昇を上から掛けていった値です。
例えばNIOについて、順位が1の行(7月6日)の値動きを見ると+22.7%、2の行(10月14日)の値動きを見ると+22.6%となっているので、この時の累積は
1.227×1.226=1.504 → +50.4%
となります。
つまり、7月6日と10月14日の2日間その銘柄を持っていれば、50.4%の利益が得られるということです。

この累積を上から見ていくと、17日のところで1135.3%になり、NIOの年間パフォーマンスを上回ります。

つまり、この17日間さえNIOの株をホールドしていればNIOの年間パフォーマンスを超えられる、逆に言えば、この17日の利益を取り逃すと、残りの236日のNIOのパフォーマンスはマイナスになる、ということです。

たった17日?NIOが特例なのでは?と思われるかもしれませんが、これはNIOだけに当てはまる傾向ではありませんでした。
他の9銘柄を見ると、一番長い銘柄でも、Top21日分のパフォーマンスで年間パフォーマンスを上回ります。(赤字にしているのがその日数です。)
10銘柄の平均は17.4日でした
つまり、2020年に利益を上げるためには、どの銘柄を選ぶかも重要ですが、この「運命の17日」にちゃんとホルダーでいられたか?ということも非常に重要だったということになります。

「運命の17日」はいつ来るのか

ここまでのところで、爆益を得るにはタイミングが重要だということがわかってきました。

そこで次に、そのタイミングを適切に計ることはことは可能なのか?モメンタム投資戦略は「運命の17日」が来ることを察知できるのか?ということを考えてみたいと思います。
もし察知できそうなら、モメンタム投資戦略は各銘柄の「運命の17日」を渡り歩くことで効率的に利益を得ることができます。
反対に、もし察知できないなら、おとなしくガチホして「運命の17日」をじっと待つ合理性が高くなります。

というわけで、10銘柄について、「運命の17日」がいつ来たのかをチャートに書き込んでみました。
とはいえ、17日全部書いていたらチャートがごちゃごちゃしてしまうため、Top5だけにしています。傾向を掴むだけならこれでも足りるかと思います。

まずNIOをサンプルに、表の意味を解説していきます。

チャートに、1~5の数字が書かれた矢印があります。これは、最も上げた日から順に番号が振られており、No1の矢印はNIOが最も値を上げた日、No4の矢印は4番目に値を上げた日です。

左上の表は、上昇前数日間の値動きがどうだったか
左下の表は、上昇前日の値動きがどうだったか
で右の5つの上昇日を分類したものです。「No」の列に書いている数字は、右のチャートの番号と対応しています。
例えばNIOの場合、上昇トレンド中に更に上げた日が5日中2日あり、横ばいからうわ抜ける形で上げた日が5日中3日あったということです。
ちなみに、チャートの上から矢印が伸びている日は前日も上昇していたことを、下から矢印が伸びている日は前日に下落していたことを示しています。

それでは、他の9銘柄についても見てみましょう。
(「上昇トレンド中の更なる上昇」と「横ばいからの上抜け」どちらに分類するか?などは感覚的なところもあるので、参考程度にしかなりませんが。)









10銘柄の値動き直前の動きをまとめたものがこちらです。

ここで、「上昇トレンド中の更なる上昇」が「下落トレンドからの反騰」より多いからと言って、「上昇トレンドの時を狙うべきだ」とはならないことにご注意ください。
それは、上昇トレンドの期間と下降トレンドの期間がそれぞれ何日あるかによるからです。
極端な例でいうと、下降トレンドが全体で14日しかなければ次の日に確率100%で上昇することになるので、下降トレンドで買った方が有利、ということになります。
上昇トレンドの期間と下降トレンドの期間が何日あるかはわからないので、今回の分析では「どれがいい」ということは難しそうです。(意味のない分析をしてすいません。)

一方で、「上昇前日の動き」でいうと、上げと下げがそれぞれ何日あったのかは先ほどの勝率からわかっています。

「上げて引けた日」を全部足すと1416日
「下げて引けた日」を全部足すと1099日
になります。

各銘柄の上昇率Top5の日のうち、上げて引けた日の次に来たのは38回なので、38/1416=2.68%
反対に、下げて引けた日の次に上昇率Top5の日が来たのは12回なので、
12/1099=1.09%

となります。

つまり、上げて引けた日の次の日は、下げて引けた日の次の日よりも2.5倍程暴騰しやすい、ということになります。

「落ちてくるナイフは掴むな」という相場の格言がありますが、今回の分析でもそれに沿った結果になりました。
下落途中に焦って買いに行かなくても、ある程度下降トレンドが止まったことを確認した後で買った方が成功率は高くなりそうです。(そして各チャートを見ていると、下げた次の日の暴騰は、その後の勢いが続かない場合が多いように思います。)

まとめ

今回は、上昇直前の数日間だけを見て暴騰の予兆が感じ取れそうかを分析しました。

本日のまとめはこんな感じです。

  • 10銘柄の中で比較した場合、パフォーマンスを分けるのは、「上げた日が多いか」ではなく、「上げた日にどれだけ上がったか」「下げた日にどれだけ下がらなかったか」で決まっていた。
  • 爆益銘柄でも、年間を通じてパフォーマンスが良いわけではなく、「運命の17日」のパフォーマンスに依存しているため、そこをいかに掴んでいくかが重要。
  • 上げて引けた次の日の方が、暴騰は起きやすい。

モメンタム投資戦略について、ある程度ポジティブに考えてもよさそうだなと個人的には思いましたが、やはりそんなに明らかな暴騰の兆候は見つからないですね。(そんなものが簡単に見つかったら苦労しませんが。)

見方は他にも色々あると思いますので、もしチャートを見て気づいたことがあれば、ご意見をもらえたらうれしいです。最近オニールやミネルヴィニを参考にしているという方は、上記の銘柄の中にカップウィズハンドルが見つけられるかどうかなどもトライしていただくと面白いかもしれません。

私としても、引き続き、モメンタム投資と並行していくつかの銘柄をガチホしつつ、自分にとって最適なバランスを見極めていきたいと思います。

POSTED COMMENT

  1. 竹kid より:

    ZM以外、カップウィズハンドルに見えますね~
    アメリカ人、やっぱこの形好きなんですね(笑)

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